BOOK DETAILS

新井淳一 布・万華鏡

森山明子【著】
A5判上製/324頁(カラー口絵8ページ、挿図点数175点)
本体4200円+税
ISBN978-4-902078-30-5
2012年3月発売
装幀 杉浦康平+佐藤篤司

正誤表 |  フライヤー

「ドリーム・ウィーバー」(夢を紡ぐ人、夢織人)と形容され世界的評価を得る、日本を代表するテキスタイルプランナー・新井淳一の初の評伝。
ファッションの伴走者、発明家、民族衣裳蒐集・研究家、教育・伝道者、エッセイストという万華鏡のごとき多彩な顔。前衛的な日本のファッション・デザイナーたちと共に、現代テキスタイルの表現と意義を示唆しつづけ、布の概念を覆す新たな素材を生み出し続けてきた、思考と実践の軌跡が綴られている。カラー口絵ほか、本文に170点余の図版を掲載。
目 次
プロローグ
ジャパン・テキスタイル・コンテスト/布の時空の余白に/五つの顔をもつ世界的桐生人
第一章 ファッション・素材の時代に
突然、嵐のごとく/「一介の機屋」にファッション大賞特別賞/デザイナーのための「トライマン」/北千住駅での「よれよれコットン」/「布」開店の波紋/「ヌーノ」と英国王室芸術協会名誉会員
第二章 テクノロジストの思考回路
アートテキスタイル/金銀糸織物で輸出に貢献/スリットヤーンが転機をもたらす/コンピューター・ジャカード織/新合繊、新世代ウール開発/ステンレス織物もPPSも「火の鳥」/新井淳一の流儀
第三章 精神の拠り所としての民族衣裳
旅のはじまり、布づくりの思想/染織参考館を切望/一九八○年、二日だけの民族衣裳展/「布の詩」は思索の旅、歌の別れ
第四章 桐生人として
「西の西陣、東の桐生」/機屋の三代目に生まれて/「戦争の申し子」の旧制中学時代/伴侶との出逢い、夭折詩人とのその後/桐生の斜陽と再生計画/結城、勝山、一宮——産地に向ける眼差し
第五章 「ドリーム・ウィーバー」アジアを行く
二○一○年春、北京にて/インド、韓国、オーストラリア/思想体験としての「一九六八年」/日本人論の中の職人・工人
第六章 エッセイストとしての顔
人形劇、演劇、小説、朗読/始まりは「
見たり聞いたりためしたり」/雑誌では「アルファ・アイ」「私のファッション考」/七年にわたる「天衣無縫」の翼/業界人垂涎の「新布考」/桐生市民とともに「縦横無尽」に
第七章 来たるべきデザイナー
「海外メディアの形容詞・形容史/九○年代の評価は「構築̶脱構築̶ 再構築」/テキスタイルの戦後史の中で/観相家によるモダンの複数の顔/布の思索の万華鏡
エピローグに代えて
万華鏡について/布衣の交わり/昨日と明日のテキスタイル
新井淳一年譜・書誌/参考文献・引用文献+註
森山 明子 MORIYAMA Akiko
デザインジャーナリスト、武蔵野美術大学教授。
一九五三年新潟県生まれ。一九七五年東京芸術大学美術学部芸術学科卒業。特許庁意匠課審査官、「日経デザイン」編集長などをへて一九九八年から現職、デザイン情報学科所属。芸術工学会副会長・名誉理事をつとめる。
近著には『カラー版 日本デザイン史』(共同監修・共著、美術出版社、二○○三年)、『魔の山 中川幸夫作品集』(編集、求龍堂、二○○三年)、『まっしぐらの花――中川幸夫』(単著、美術出版社、二○○五年)、『Gマーク大全 グッドデザイン賞の五○年』(監修・共著、日本デザイン振興会、二○○七年)、『石元泰博――写真という思考』(単著、武蔵野美術大学出版局、二○一○年)など。二〇一五年には初の著作集『デザイン・ジャーナリズム――取材と共謀 1987→2015』(美学出版)を発刊。


[BOOK REVIEW・新刊紹介]
「美術手帖」 2012年6月号掲載
「美術の窓」 2012年6月号掲載
「新美術新聞」2014年6月11日号掲載
「図書新聞」 2012年7月9日号掲載(評者:松井久子)
「望星」   2012年10月号掲載

[関連リンク]

第693回デザインギャラリー1953企画展
「本の知と美の領域vol.2 ー 森山明子の仕事」展 2013年3月20日‒4月15日

『デザイン・ジャーナリズム――取材と共謀 1987→2015』


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