BOOK DETAILS

日本・地域・デザイン史 Ⅰ

芸術工学会地域デザイン史特設委員会【編】
A5判 並製/234頁
本体 2000円+税
ISBN 978-4-902078-34-3
2013年9月刊行

フライヤー

この半世紀、デザイン活動は日本の各地に根づいてそれぞれ独自の展開をはじめた。しかし、これまで発刊された日本デザイン史にその動きを見出すことは難しい。

手にできるいわゆる日本デザイン史は、中央の動きを中心にした、また中央の視点で語られ伝えられてきたものがほとんどであった。……研究分野には地域の事柄を深く追求したものも少なくないが、研究の宿命でともするとそれぞれのテーマにしぼられがちで地域の大きな流れや全体像はつかみにくい。

日本各地のデザイン史は、その地域が編纂しない限り存在しない。……迫り来る難局に地域デザインはこれからどう対峙したらいいのか。……地域自ら考え道を切り拓く時代である。歴史は、その際の知恵の宝庫なのである。……

地域デザイン史編纂が、デザイン学研究の一カテゴリーとして定着し、地域社会の指針の役割を果たすことを期待してそれを芸術工学会の学会活動のひとつに位置付けた。まず一歩を踏み出したのが本書である。

(「なぜいま地域デザイン史なのか」より抜粋)
目次
なぜいま地域デザイン史なのか
1 北海道 旭 川 Hokkaido ASAHIKAWA
旭川デザイン史総説
地域デザインの核づくり ―旭川デザイン協議会の歩み
旭川家具産業とデザインの歩み
column 国際家具デザインフェア旭川(IFDA)
クラフトデザインのこれまで ―旭川工芸協会(ACDA)の歩みをとおして
広告デザインの歩み ―旭川広告デザイン協議会(aadc)の歩みをとおして
チェアーズギャラリー・コレクション館展示一覧
旭川の建築・インテリア
旭川の写真・CG、そして食・布・ジュエリー・花・ステンドグラス
column 北海道・旭川における建築形態の変遷
旭川のデザイン教育と研究
column なぜ今旭川でデザインの仕事をしているのか
旭川デザイン史年表
2 東北 山 形 Tohoku YAMAGATA
山形デザイン史総説
山形のデザインを担う企業、団体、大学
column 東北芸術工科大学デザイン工学部の開学期の教育
山形県の伝統的工芸品のデザイン
山形県の近代化産業遺産群の建築とデザイン
山形デザイン史年表
3 東海 静岡・浜松 Tokai SHIZUOKA, HAMAMATSU
総説1 静岡・浜松地域の時代とデザイン
総説2 静岡地域のデザイン文化土壌
総説3 遠州地域のデザイン文化土壌
静岡県のデザイン行政
column 昭和三十年代の試験場とデザイン
静岡地域の産業とデザイン
column 製紙産業とデザイン
遠州地域の産業とデザイン
column スズキのデザイン、草創のころ
column ヤマハのデザイン
column ヤマハ発動機のデザイン
静岡・浜松地域の景観・建築デザイン
column 海からの景観デザイン
静岡・浜松地域のデザイン教育
column 静岡文化芸術大学を思う―教員OBの声
column 大村アトリエ
静岡・浜松デザイン史年表
4 北陸 金 沢 Hokuriku KANAZAWA
金沢デザイン史総説
工芸の殖産興業
column 金沢発デザインへの道を開いた金沢美術工芸大学
伝統工芸街構想を実現した都市
column 地域の力を活かした新たな文化の創造
旦那衆によるデザイン振興
石川のデザイン振興の歩み ―石川県デザインセンターの活動を中心に
今日の石川の産業とデザイン
金沢デザイン史年表
5 関西 神 戸 Kansai KOBE
神戸デザイン史総説
神戸家具の変遷 ―開港期から今日まで
column 神戸家具の可能性を探る試み
ケミカルシューズ
神戸ファッション
column 広がるユニバーサルデザインとファッション
神戸の洋菓子産業
有馬温泉観光デザイン史
神戸デザイン史年表

[芸術工学会]
1992年、デザインについての基礎的学問である「芸術工学」の碓立を目指し、 また、デザインに関する学術的交流の拠点として設立される。

芸術工学会事務局: 神戸芸術工科大学芸術工学研究所内
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[続刊]日本・地域・デザイン史 II > Link

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