BOOK DETAILS
榮久庵憲司とデザインの世界
黒田宏治【編著】熊倉功夫・田嶋康正・佐井国夫・伊坂正人・磯村克郎・高梨廣孝【著】
四六判/上製/174頁
定価:本体2000円+税
ISBN978-4-902078-40-4
2016年3月発売
戦後日本をデザインでリードし、 事業家であり運動家であった、
インダストリアルデザイナー 榮久庵憲司。
キッコーマンのしょうゆ卓上びんなどを生み出し、
日本の工業デザインの草分けにして第一人者であった榮久庵とデザインの世界が、
ゆかりの人々と榮久庵本人の言葉によって浮かび上がってくる。
目 次
序──榮久庵先生と静岡文化芸術大学
第一講 西洋のデザイン、日本の飾り
はじめに
榮久庵先生の思い出
民藝運動とデザイン
人工と自然、飾りの日本文化
飾らない飾り、千利休のデザイン
トータルデザインの思想
第二講 食文化と生活のデザイン
榮久庵先生としょうゆ卓上びんのデザイン)
私を生んでくれてありがとう
榮久庵先生とキッコーマンの出会い
しょうゆ卓上びんのデザイン
デザインのグローバル展開
デザイン資産の継承
食のパッケージデザインをめぐって)
日本の伝統パッケージ
カフェノバールのデザイン
シンポジウム「食文化と生活のデザイン」
見えるデザイン、見えないデザイン
食卓のデザインとイノベーション
国際性と物事のデザイン
第三講 もの文化と道具のデザイン
道具論と幕の内弁当
近代デザインの源流、アーツ&クラフト運動
デザインの経済価値と文化価値
ソーシャルデザインという新領域
物の民主化とデザイン
第四講 道具と空間のインダストリアルデザイン
道具から空間へのDNA
建築とIDのコラボレーション
大阪万博を契機に実験から実践へ
浜松市の公共空間のデザイン
広島の横たわるモニュメント
第五講 浜松のデザイン、ヤマハとともに
遠州デザインの基層
榮久庵先生と日本楽器との出会い
ヤマハのオートバイYA-1のデザイン
ヤマハと発動機の名作デザインの数々
榮久庵先生とのコンペティション
第六講 日中デザイン交流を振り返る
躍進するハイアール
榮久庵先生とハイアールの出会い
日中連携デザインビジネスの展開
中国の二十一世紀デザインへ
千年の恩顧に応える
[補講]
道具という言葉
禁欲と非禁欲
「幕の内弁当の美学」とは
小人論
知識と作法
クリエイティブ・インダストリー
榮久庵憲司略歴(一九二九―二〇一五年)
あとがき
黒田宏治(くろだ こうじ)
1957年東京都生まれ、静岡文化芸術大学デザイン学部教授、芸術工学会副会長。1979年東京工業大学卒業、GKインダストリアルデザイン研究所入社、GKデザイン機構企画調査部長を経て、2000年静岡文化芸術大学に着任、現在に至る。専門は社会デザイン、地域デザイン。著書に『デザインの産業パフォーマンス』(鹿島出版会、1996年)、『都市の道具』(共著、鹿島出版会SD選書、1986年)、『都市とデザイン』(共著、電通、1992年)、『地域を活かす第三セクター戦略』(共編著、時事通信社、1993年)、『地域経営の革新と創造』(共編著、丸善、2000年)、『日本・地域・デザイン史Ⅰ』(共編著、美学出版、2013年)などがある。> Link熊倉 功夫(くまくら いさお)
一九四三年東京都生まれ、静岡文化芸術大学学長。和食文化国民会議会長、著書『日本料理の歴史』(吉川弘文館、二〇〇七年)、『茶の湯といけばなの歴史 日本の生活文化(放送大学叢書)』(左右社、二〇〇九年)、『後水尾天皇』(岩波書店、一九九四年)、『文化としてのマナー』(岩波書店、一九九九年)ほか多数。