BOOK DETAILS

遠藤彰子〈白い絵〉〈黒い絵〉

森山明子【著】
遠藤彰子【画】

B5判変型/96頁
デザイン:新保韻香
定価:本体1,800円+税
ISBN978-4-902078-69-5
2021年10月刊行

フライヤー

画家・遠藤彰子の絵画世界を、本人の言葉も紐解きながら、全体から細部へ、テーマからモチーフへと読み解いていく「一作一冊」シリーズの第三弾。
最新作は絵画の初源であり究極の表現とも言える白と黒の《雪・星ふりしきる》と《黒峠の陽光》。作品が生まれつつある過程に立ち会い、画家の創作の秘密に迫ります。
絵とは何だろうと問いかける旅への誘いです。
巻末には遠藤彰子ベストエッセイ15を収載。

[目 次]
はじめに──「一作一冊」第三弾として
1章  時代の移り変わりと創作 

 時代の空気感を表す
 大作の作画法の終わりの始まり
 画家にやって来た「啓示」とは 

2章 大叙事詩から象徴詩へ

 現実もアニミズムも超え遥かな時空へ
 王朝和歌以来の象徴性
〈白い絵〉から〈黒い絵〉への反転

3章 白い絵《雪・星ふりしきる》──オデッセイの億年の旅

 1 蒼穹を往還する星々
    ──我々はどこから来て、どこへ行くのか
 2 浮遊する三世代家族
    ──智慧は経験のむすめ
 3 手をつなぐ娘、散乱する骨
    ──終末風景からのひそかな離脱
 4 八本の足は星の光芒に対抗
    ──イカは海の王者のよう
 5 消滅する星の軌跡
    ──そこには精霊はいない
 6 旅する少女が再登場して
    ──善きことに想いを馳せる
 7 死の雪山と天の河
    ──一本の線でつながっている
 コラム…《海暮れゆけばただ仄かなる》

4章 黒い絵《黒峠の陽光》──現代の寓意画、現われる

 1 人間の命運を握る魔物
    ──「怪物君」は犠牲者かもしれない
 2 二体の「太っちょコウモリ」
    ──自然の摂理が生んだ異形のもの
 3 救世主を期待される女
    ──力ではなく美によって
 4 まだ切れていないクモの糸
    ──共感の輪をすべての生き物に
 5 峨々たる山を登る人々
    ──遊行と巡礼を墜落に重ねて
 6 白骨化の過程が河向こうに
    ──此岸と彼岸はつながっている
 7 渉れない河に太陽が
    ──〈黒い絵〉で輝く暗赤色の日輪
 コラム…《ことば響くあたり》

おわりに──「Akism=アキズム」戦線異常なし
巻末資料

 遠藤彰子ベストエッセイ15
 略歴 遠藤彰子・森山明子


文=森山明子 MORIYAMA Akiko

デザインジャーナリスト、武蔵野美術大学デザイン情報学科教授
三宅一生デザイン文化財団理事、日本デザイン振興会評議員、芸術工学会監事
1953年新潟県生まれ、東京藝術大学美術学部芸術学科卒業
[著書] 『まっしぐらの花──中川幸夫』(2005)、『石元泰博──写真という思考』(2010)、『新井淳一──布・万華鏡』(2012)、 『デザイン・ジャーナリズム 1987→2015』(2015)、『詩劇 花はくれない』(日英併記、2018)、 『遠藤彰子《鐘》のすべて』(2020)、『遠藤彰子《四季》のすべて』(2021)、以上単著
ほかに、 『型而工房から 豊口克平とデザインの半世紀』(共同編集、1987)、 『ラピス・エクシリス』(私家版、1995)、 『カラー版 日本デザイン史』(竹原あき子と共同監修・共著、2003)、 『Gマーク大全――グッドデザイン賞の五○年』『同六○年』(監修、2007・2017)、 『オリンピックとデザインの政治学』(若山滋と共著、2016)など

画=遠藤彰子 ENDO Akiko

画家、武蔵野美術大学名誉教授
二紀会委員、女流画家協会委員
1947年東京都生まれ、武蔵野美術短期大学美術科油画専攻卒業
おもな受賞歴に、1986年第29回安井賞展・安井賞、2007年平成18年度芸術選奨文部科学大臣賞(美術部門)、2011年平成23年度相模原市民文化表彰、2014年紫綬褒章がある。
[おもな個展]「遠藤彰子展」(1977)、「予感に満ちた─心象の街 遠藤彰子展」(1985)、 「遠藤彰子展─群れて…棲息する街─」(1992)、「遠藤彰子展 夢幻の世界・リアルな 眼差し」(1996)、「遠藤彰子─力強き生命の詩」(2004)、「遠藤彰子展 Akism─ 生命を謳う」(2006)、「遠藤彰子展 私は来ている 此処に、何度も」(2007)、 「─満ちゆく生命─遠藤彰子の世界展」(2008)、「魂の深淵をひらく─遠藤彰子展」(2014)、 「Ouvrir la profondeur de l’âme」(パリ、2015)、「遠藤彰子展 “Cosmic Soul”」(2017)、 「魂の旅 遠藤彰子展」・「物語る遠藤彰子展」(2021)
[パブリックコレクション]網走市立美術館、北海道立旭川美術館、茨城県近代美術館、笠間日動美術館、 上野の森美術館、東京国立近代美術館、東京ステーションギャラリー、 府中市美術館、相模原市、彫刻の森美術館、横浜美術館、新潟市美術館、 富山県美術館、佐久市立近代美術館、常葉美術館、浜松市美術館、 東広島市立美術館、都城市立美術館、木更津わたくし美術館

 Link > 遠藤彰子's Official Website


[好評既刊]『遠藤彰子《鐘》のすべて』  > Link
[好評既刊]『遠藤彰子《四季》のすべて』  > Link


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