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遠藤彰子《四季》のすべて
森山明子【著】遠藤彰子【画】
B5判変型/112頁
デザイン:新保韻香
定価:本体1,800円+税
ISBN978-4-902078-63-3
2021年3月刊行
「人間の存在」や「生きている実感」をテーマに、魂を揺さぶる壮大な物語を描く画家・遠藤彰子の代表作を味読する「一作一冊」シリーズの第二弾。
四年にわたり描かれた連作《四季》は、冬《白馬の峡谷》、春《いくとせの春》、夏《織られし白き糸》、秋《在り過ぐす》からなり、各1000号を並べれば横幅は二○メートル。
遠藤の言葉もひもときながら、画家の誕生と創作の謎、そしてその魅力に全体から細部へ、テーマからモチーフへと迫る。
四作によるカバー2枚付。
[目 次]
はじめに──「一作一冊」第二弾
1章 画家の創作の謎
「自分を見ている自分」と「何も無い」
制作の時間、画家の居場所
高揚感を鎮めるもの
2章 遠藤彰子にとっての《四季》
記憶と夢──遠藤彰子の青雲・星霜
《四季》の主題──霊性・再生・崩壊・変容
3章 冬《白馬の峡谷》──霊性を求めて
1 山頂に折り重なる幻想の白馬
2 三角地帯の月と水の情景
3 谷間に現われる生きた群像
4 死に向かう生き物
5 なぜか天使がいる
6 川岸は巨大な脚なのか
4章 春《いくとせの春》──再生の物語
1 月に向かってざわめく生き物
2 亡き子のいる母子像
3 再生した女たちは踊る
4 花吹雪の先の「ノアの方舟」
5章 夏《織られし白き糸》──恐るべき崩壊
1 大きな蜘蛛と蜘蛛の巣
2 黒い蜘蛛の下は深い青
3 夏草の吐息が悲鳴に変わる
4 幻想の少女はどこにいる
5 妄想するのはアダムとヨハネ
6章 秋《在り過ぐす》──変容を渇望する
1 原初への回帰
2 津波の怖さ
3 小さな小さな人間
4 変容、あるいは人魚
5 異空間の赤と黒の木々
おわりに──《四季》の先に原初の地球が
巻末資料
遠藤彰子を知るためのエピソード
略歴 遠藤彰子・森山明子
文=森山明子 MORIYAMA Akiko
デザインジャーナリスト、武蔵野美術大学教授
三宅一生デザイン文化財団理事、日本デザイン振興会評議員、芸術工学会副会長
1953年新潟県生まれ、東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。特許庁意匠審査官、国際デザイン交流協会勤務、日経BP社「日経デザイン」編集長を経て現職。
著書に、『まっしぐらの花──中川幸夫』『石元泰博──写真という思考』 『新井淳一──布・万華鏡』『デザイン・ジャーナリズム 1987→2015』 『詩劇 花はくれない』『遠藤彰子《鐘》のすべて』 (以上単著)、『Gマーク大全──グッドデザイン賞の五〇年』『同六〇年』(監修)、『オリンピックとデザインの政治学』(若山滋と共著)などがある。
画=遠藤彰子 ENDO Akiko
画家、武蔵野美術大学名誉教授・油絵学科客員教授
二紀会委員、女流画家協会委員
おもな受賞歴に、第26回女流画家協会展・マツダ賞(1972)、第27回二紀展・奨励賞(1973)、第13 回昭和会展・林武賞(1978)、第29回安井賞展・安井賞(1986)、第44 回二紀展・文部大臣賞(1990)、第60回二紀展・内閣総理大臣賞(2006)、平成18年度芸術選奨文部科学大臣賞・美術部門(2007)、平成23年度相模原市民文化表彰(2011)、紫綬褒章(2014)がある。
Link > 遠藤彰子's Official Website